骨造成とは
骨造成とは骨の幅、厚み、量を増やすように骨を造ることです。
自家骨（自分の骨）を他の部分から移植する方法と、人工骨を入れる方法があります。
人工骨は入れてから新しい骨に徐々に置き換わります。そのため、置き換わるのを待つ期間があります。
自家骨を移植した場合でも、人工骨を入れたときと同様に骨はリモデリングといい毎日少しずつ古い骨を吸収し、新しくできる骨に置き換わることを繰り返し、新しい骨になっていきます。
そして、この骨のリモデリングを利用しインプラントに適した状態に骨の形を整えていくことが、骨造成です。
インプラント手術を行う場合の骨造成について
インプラントは歯を失った時に行う治療ですが、歯周病で歯を失った場合は歯槽骨という歯を支える骨も失っている事がほとんどです。
特にアジア人の場合は歯槽骨が非常に薄いことが知られていて、ほとんどのケースで骨を増やす処置が必要になります。
そういった場合にインプラント治療においては骨を増やす技術はすでに確立されています。
骨造成はインプラントを行う部位ではなく、オトガイや他の部位から患者さん自身の骨を取ってくることを主に行っていた時代もありますが、この手法を用いる場合、手術する部位が2か所になるため、術後の腫れや痛みが問題になることが多くあります。さらに、骨をブロックでとってくるようなことをすると、術後の不快症状、特に神経麻痺などの発生率が高くなるので、最近ではあまり積極的には行われないことが多いです。
最近では小さな骨の欠損であればインプラント手術時にドリルする場合に低速で注水することなく行うことで手術と同部位から骨を採取することも可能で、それにより小さな骨の欠損を補填することも多くあります。仮に大きな骨の回復を必要とするケースでも、他種骨や人工骨も安全なものが多数販売されているため、最近では人工骨をメインの移植剤として使用し、手術とは異なる別の部位から骨を採取することは非常に稀になりました。
人工骨や他種骨での骨の再生はすでに確立された技術であり、なにより合併症の発生率が非常に低くなるため、現在では主流となっています。
トリプルエープラスデンタルクリニックでは基本的にインプラントの骨造成の認可材料を使用してるため安全に骨造成術を受けることができます。
骨の高さが足りない方
歯槽骨に垂直的な高さが足りない場合に、骨を垂直的に増やす方法を垂直的骨造成と言います。
垂直的骨造成の方法として、GBR法があります。
GBR法
骨組織誘導再生法ともいわれるGBR法は、顎の他の部分から自家骨を採取して、粉砕し細かな骨にして、骨の高さが不足している部分に盛るように置きます。それだけでは、結合線維や上皮などの瘢痕組織になるような組織が入り込むため、それを防ぐためにメンブレンという膜で覆い、瘢痕組織の骨ができるまで骨の組織に入り込まないようにします。
骨の幅や厚みが足りない方
歯槽骨に水平的な幅が足りない場合に、その幅や厚みを増やす方法としてスプリットクレストと人工骨を用いた骨造成があります。
スプリットクレスト
スプリットクレストとは歯槽骨に切り目を入れて、その隙間にインプラントを埋め込み骨の小さな穴を骨のたわみを利用し少しずつ幅を広げていく方法です。
自家骨を採取するよりも、患者様への侵襲を減らすことができます。
痛みを抑えた骨造成
骨造成手術は、通常のインプラント埋入手術より手術時間も長く、術中・術後の痛みも伴います。
しかし、自家骨を採取し移植する方法ではなく、人工骨を使用することで
患者様の負担や術中・術後の痛みが軽減され、手術時間も短縮することができます。
また、患者様の負担や痛みをできる限り抑えるために、
当院では歯科麻酔を用いてほとんど眠ったような状態での手術を受けられるような体制を整えています。
